2021/2/19 【出産】痛みの緩急
▲産まれたての丞士(じょうじ)。
昨日の分娩を振り返って。
まず、気になる和痛効果。
個人的な感覚で言うと、残念ながら殆ど痛みは軽減されなかったように思う。
陣痛間隔が短くなり、赤ちゃんが下に降りてくると、やはり痛い!痛すぎる!激痛!
そこに至るまでも、前回より劇的に痛みが軽減されたという感じは全くせず。
麻酔薬投与のタイミング(投与後、麻痺するまで平均30分ほど)や量(常に許容量MAX)は全く問題なかったと思うが、”無痛”ではなく”和痛【あくまでも、痛みの軽減】”のせいか、第1子と殆ど変わらない痛みで、和痛の効果を疑うほど。
赤ちゃんが出る前の最も痛い所で、
「もっと麻酔追加お願いします!」と叫んだものの、「もう許容量MAXです。1時間に1回しか追加できないので。。」と言われ、ガーン。。😭
ただ、2回目ということもあり、【呼吸】だけは、しっかり意識することが出来た。
今回、その【呼吸】との関わりを最も実感したのが、「痛みの緩急」。
終盤、陣痛間隔が1分を切る頃になると、その間でいかに心身をリラックスさせ、次の陣痛(場合によってはイキみ)に備えるか、が何より大切。
自身が休むだけでなく、このリラックス期間に、たっぷりベビーにも酸素を送ってあげなければいけない。
ずっとイキみ続けていても、
母子ともに疲れるので、いかに短時間で緩急をつけられるか。
そして、いざ陣痛が来た時には、
呼吸に集中しつつ、どうその痛みを逃すか。
英士の時は、そんな「痛みの逃し方」が分からず、余裕もなく、がむしゃらにイキみのストップ&再開を繰り返していた気がする。
ただ今回は、呼吸に意識を集中させる事で、
驚くほど冷静に、身体の声を耳を傾けながら、
陣痛の波を乗り切ることができた。
正面突破で、真っ直ぐに頑張り続けるだけが、
正解というわけではない。
避けられない辛さや痛さを、
いかに上手く逃していくのか。
自分の中で、どうやって緩急をつけるか。
約4時間の出産で、そんな人生の波の乗り切り方を、思いっきり凝縮トレーニングができた気がした。
⚫︎(日本の)和痛分娩について
今回、産後の早期回復と陣痛軽減目的で、実施する事にした「和痛分娩」。(※背中から、鎮痛麻酔が投与される。)
欧州ではメジャーの「完全無痛分娩」を希望していたが、お世話になる産院では、和痛しか実施しておらず。。
病院のポリシーから、【完全無痛にすると、陣痛感覚が麻痺し、いきむタイミングを見失う】ので、あえて”和痛”しかやっていないとのこと。
この麻酔は、「硬膜外麻酔」と呼ばれ、脊椎の中の硬膜外腔にカテーテルを入れて、麻酔薬を注入する。(和痛、無痛とも、基本は硬膜外麻酔。)
⚫︎(欧米の)無痛分娩”epidural birth” について
お産の痛みを我慢させない欧米では、epidural(麻酔薬)を使った完全無痛分娩が主流。
特に、英仏は圧倒的多く、フランスでは1981年にはわずか4%だった硬膜外無痛分娩率は2016年には82.2%に。
(★出典: Sante Publique France. Enquete nationale perinatale Synthese du rapport 2016.)
イギリス(60%)、スウェーデン(66.1%)、フィンランド(89%)、ベルギー(68%)など、多くの欧州諸国で、この硬膜外無痛分娩は当たり前。
(★出典:Monella LM. Women feel Italy's north-south divide with lack of access to epidurals. Euronews 2018.
・Lavand'homme P, Roelants F. Patient-controlled intravenous analgesia as an alternative to epidural analgesia during labor: questioning the use of the short-acting opioid remifentanil.
・Survey in the French part of Belgium (Wallonia and Brussels). Acta Anaesthesiol Belg 2009;60(2):75-82.)
特にイギリスでは、『Obstetric Anaesthetists’ Association (OAA)』という産科麻酔科医の学会もあり、以下のようにお産の鎮痛に伴う情報提供をしている。(※日本語翻訳版まであり🙌)
▼OAAの情報提供サイト「Labourpains.com」
▼OAAによる日本語翻訳版
『陣痛時の鎮痛について-第3版-』
▼OAAによる日本語翻訳版
『無痛分娩についての簡単な説明』
第1子自然分娩、第2子無痛分娩@英国を経験したロンドンのママ達からは、お産や産後回復がかなり楽なので、皆から無痛を勧められた。
「無痛にしたら、楽すぎて何人でも産めそう。」などの声も。(※個人差有。)
第1子の英士の時は、スピード出産&3650gのビックベビーで、死ぬほどの激痛を経験し、産後回復も悪かったので(3日間ほど、立てず、座れず、歩けず。)第2子は何が何でも無痛にしたかった私。
今回は英士の預かり保育など産前産後の調整があったので、入院日を予め設定する1の計画和痛を選んだ。
★和痛分娩
1.計画和痛(計画入院)
→事前に入院日を決め、陣痛促進剤を打ちながら計画的に進める。初産婦は、入院日に分娩に至らないことも多い。
2.陣発和痛
→自然に陣痛や破水が起こるのを待って、入院してから随時行う。入院時の進行状況で、和痛効果がないまま分娩になる可能性もある。
一方、日本の硬膜外無痛分娩率は徐々に増加しているとはいえ、2016年で6.1%の年間約5万人(帝王切開を含む)ほど。まだまだ、麻酔=帝王切開時のみ主流とされる。
(※出典:
・照井克生.全国分娩取り扱い施設における麻酔科診療実態調査.厚生労働省科学研究補助金子ども家庭総合研究事業 2008.
・公益社団法人日本産婦人科医会 医療安全部会.分娩に関する調査 2017.)
日本がこんなに無痛分娩が遅れている理由は、麻酔科医の数が少ないこと。(※今回私の和痛も、同理由から、電話予約日での早いもの勝ちなど同時期での和痛可能人数が決められており、深夜など麻酔科医がいない時間帯には対応できない場合有とのこと。)
欧米のように、日本も24時間365日無痛分娩”epidural birth” が、対応可能な産院が増えたらいいなぁと切に願う。
(※これまでの英国での妊婦健診とその内容について。↓)
▼2020/9/11 Midwife telephone ☎️ appointment for 16 weeks
▼2020/10/12 20週目エコー
▼2020/11/20 Midwife appointment for 28 weeks
▼2020/11/21 28 weeks Additional Growth Scan & Hyde Park 散歩
▼2020/11/30 再OGTT(妊娠糖尿病血糖値検査)@C&W Hospital
▼2020/12/4 27週エコー@ジャパングリーンメディカル
(※日本帰国後の妊婦健診↓)
▼2020/12/9 29週目 妊婦健診
▼2020/12/22 30週4Dエコー & 中華ランチ@シェラトン
▼2021/1/5 32週目 妊婦健診& 日本の妊娠糖尿病(OGTT)検査
▼2021/1/18 34週目 妊婦健診
▼2021/2/1 36週目 妊婦健診
▼2021/2/9 37週目 妊婦健診
▼2021/2/16 38週目 妊婦健診
▼2021/2/17 【出産】早期入院(日欧比較_無痛分娩)
★【英国事情】★
※出産まで計8-10回(初産のみ10回、第2子以降は8回)に及ぶNHSのantenatal appointments(妊婦健診)は、基本は医療従事資格のない助産師さんとの面談のみ。
ドクターに逢えるのは、何か身体に問題があり別途診察アポを予約した時だけ。(計2回のエコー検査時も、日本とは異なり、Gynecologist Dr.産婦人科ドクターではなく検査技師が担当。)
(※イギリスNHSの”antenatal appointments :妊婦健診” スケジュールとその内容は↓)
▼2020/7/13 Chelsea and Westminster Hospital
★”Paternity leave”
(英国の父親の育休制度)とは?
父親に認められている休暇で、産後8週目まで1 or 2週間取得することが可能。勤続期間(出産予定週の15週前までに26週以上)が資格要件となり、休暇期間中は、法定父親給付として、給与額の9割または所定の手当額£151.20(=約21,046.96 円、2020年10月現在)のいずれか低い方が支給される。現状ほぼ9割近くのパパが取得している。
★”Shared parental leave”
(共有両親休暇)
2015年に導入。法定出産休暇52週のうち、母親に取得が義務付けられている産後2週間を除く50週分について、両親間で分割して取得を可能とするもの。3期間(1期間は最低1週間)まで分割して取得が認められ、両親とも取得要件を満たす場合は、重複する期間に休暇を取得することもできる。配偶者・パートナーとともに育児の責任を負っていること、いずれかが法定出産休暇または出産手当に関する権利を有することを前提として、勤続期間(出産予定週の15週前までに当該の雇用主の下で26週以上)、また休暇期間中も同一の雇用主との雇用関係にあることが要件となる。加えて、配偶者・パートナーについても、就業実績および賃金水準に関する要件を満たすことが求められる。両親のうち一方が法定出産手当の受給資格があり、もう一方についても法定父親手当等の受給資格を有する場合、共有両親手当を受給することができる。
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