2022/8/15 【本紹介⑱】13歳からのアート思考


 「すべての子どもは、アーティストである。
問題なのは、どうすれば大人になった時にもアーティストのままでいられるかだ。」

 上記は、20世紀を代表する画家、パブロ・ピカソの言葉。

 アーティストというのは、
正解を見つけるというより、(0→1の創造を含め)自分なりの答えをつくれる人、のことでもある。

 この「正解を見つける」のではなく、
「答えをつくる力」は、アートを鑑賞・自作することで養える、これが著者の言うアート思考(Art thinking)だ。

 ① (自分だけの物の見方)で世界を見つめ、
 ② (自分なりの答え)を生み出し、
 ③それによって(新たな問い)を生み出す


 ビジネス、学問、人生、あらゆる分野において、「自分のものの見方」を持てる人こそが、結果を出せているのではないか。

 個人的にいうと、この着眼点については多いに賛成。特に、不透明で激動する今の世の中では、偏差値なんかより、よっぽど必須の力だと思う。
 確かに、それを伸ばすツールの1つとして、アートは分かりやすいかもしれない。(特に、大人向けの場合)

 ただ、子どもの場合は自然に触れ合うことや、子ども同士の社会の中にこそ、そんなきっかけが無尽蔵にある気がする。

 それを大人がどう気づき、のばせるか。
私は、「何もしない(で、ただただ見守る)」のが1番だと思う。でも、これが今の世の中では1番難しい。経験値がある親が、子ども達の前に転がるつまずきの小石を事前に取り払わないように、我慢できるか。これに、尽きると思う。


 大人の場合は、アート思考を意識してやっている時点で残念ながら少しズレている、と思う。
(本当に出来る人は、意識せずとも①-③をやっている)
 正解を見つけることに特化されてきた大人達(特に日本人)は、「アート思考による”正解”」を見つけようしてしまうから。

 起業塾に通いまくる人に本物の起業家がいないように(本当の起業家は、トライ&エラーを繰り返し、経験から学んでやっている)。

 大人においてアート思考的なものを伸ばすには、取り敢えずバッターボックスに立ちまくり、新たな挑戦をし続けること。
 失敗しまくって、つまいずいて、次回どうすればいいのかを、深く深く、考えまくること。

 こんな風に、ガンガン経験する事でしか得られない気がする。
 

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